ダービーで輝く星を見つけた
ダービーは内枠以外に6枠12番の成績がいいというデータを見て、ゲート接合部が通常は11と12の間でダービーのときだけ10と11の間に移動するため、それまで接合部だった部分の馬場がよくてスタートがよくなる…という説を思いついて過去レース見たけど、たまたま強い馬が6枠12番に入っていただけだった。 pic.twitter.com/4Xx6LhWf5u
— ぷえき (@pueki_k) 2021年5月26日
昨日の自分のTweetだけど、これを思いついたときは胸の高鳴りを感じたね。あ~、これは誰も着目してない激アツデータだわって思ったよ。そんで、高まる胸の鼓動を感じながら6枠12番のスタートに注目して過去映像見返していったけど、スタート悪いけど後半で巻き返す馬ばっかりですぐに胸の鼓動は収まった。そら誰も着目せんわ。
はぁ~…そうそういいデータなんてないよね…なんて思って木曜日を過ごしているといつの間にやら枠順発表。
はい、無敗の皐月賞馬のつよつよ馬番で今年のダービーは幕をとじたのでした、めでたしめでたし………というわけにはいかない。
ここで諦めるような奴はギャンブル中毒失格。先の見えない暗闇に光を見出して金と命を投げ入れるのが真のギャンブル中毒者。暗闇の中に光を見出すには、よく観察して考えるしかない。カイジの電流鉄骨渡りを思い出せ。どんなに暗い暗闇でも、よく観察して考え続けることによってガラスの筋道が見えてくるかもしれない。考えろ、考えろ、考えろ、考えろ……そしてよく見ろ。
僕たちは未来を見通すことはできないが、過去を振り返って観察することはできる。未来の答えはいつだって過去にある。
ということで、まずは、過去20年のダービーにおける前走レース別成績を見てほしい。
これを見て分かるとおり、ダービー最大のステップレースは皐月賞だ。複勝率が図抜けているのが分かる。3冠レースの1戦目、やはり能力のある馬は皐月賞を目指す。その他のステップレース(京都新聞杯・青葉賞・プリンシパルS)からダービーに向かう馬はそれまでに賞金を加算できない仕上がり遅の馬や、そもそも地力的に足りない馬が多いのだろう。
だから、直感的にはダービーと同じ舞台である青葉賞で強い勝ち方をした馬を重視したくなるものだが、実際には別のコースで実施される皐月賞で負けた馬のほうが競争能力が高い場合が多く、結果としてその他のステップレース組と比較しても複勝率も高くなるわけだ。
ここだ! ここにヒントがあった。僕たちの直感は青葉賞組を重視したくなる。それは、青葉賞がダービーと同じコースで行われるからだ。やっぱり同じコースで良績を残したら、本番でも重視したくなるものだ。
では、皐月賞のコースはどんなコースだったか。
皐月賞が行われる中山芝の内回り2000mは、クラシックレースが実施される中央主場4場(中山、東京、阪神、京都)の中で最も小回りな1周コースだ。
対して、ダービーが行われる東京2400mは、日本で最も広い1周コースだ。
この2つのコースのギャップは、ダービーの成績に大きな影響を与えるのではないだろうか?
より具体的にいうと、狭いコースである皐月賞のさらに狭い内枠で窮屈な競馬をした馬は、広いコースのダービーで競馬がしやすくなったときに巻き返しやすくなるのではないだろうか?
ということで、前走皐月賞からダービーに参戦した馬たちの、皐月賞での枠順別のダービーでの成績を調べてみた(東京2000mで開催された2011年は除いている)。
分かるだろうか、前走の皐月賞で内枠、特に1・2枠(3枠まで含めてもいいけど)だった馬たちが1枚抜けた成績を残しているのが。じゃあ、内枠ということに加えて、内枠でいい脚を使った馬の成績はどうなるか。
ということで、前走皐月賞で1枠・2枠だった馬の皐月賞での脚質&上り3Fタイム別のダービー成績を見てみよう。
いちばん下のオレンジ色の行が、皐月賞で1・2枠かつ上り3F1位~5位の馬たちのダービーでの成績だ。19頭しかいないが、複勝率57.9%。ハリウッドザコシショウの「ええやんええやん!」という声が頭の奥で鳴る。
でも、上り使える能力あるんだからダービーで好成績を残せるのも当たり前かな?とも思ったので、皐月賞で3枠より外の枠に入っていた馬たちの同じデータも調べてみた。
複勝率が25%も低下している。ザコシが「でさぁ~ね~!」と頭の奥で叫んでいる。
ここまでの結果をまとめると、クラシックで最も狭い1周コースで実施される皐月賞の内枠で上りに速い脚を使えた馬は、より広いコースとなるダービーでの好走確率が高い、ということになるだろう。
ちなみに、前走皐月賞で1・2枠だった馬たちは、ダービーでの枠順は問わずに好走している。1枠1番有利という通説のギャップも狙えるデータになっている。
さて、ここまで見てきてようやく今年のダービーに目を移すことができる。今年のダービーで、前走の皐月賞で内枠かつ上り5位以内の脚を使えた馬は2頭いる。
皐月賞で2枠3番から上り2位の脚を使って3位に入ったステラヴェローチェと、皐月賞で1枠1番から上り5位の脚を使って4位に入ったアドマイヤハダルだ。
ステラヴェローチェはイタリア語で「速い星(Stella Velocie)」という意味で、アドマイヤハダルは冠名のアドマイヤに、ケンタウルス座で2番目に明るい星「ハダル(Hadar)」を組み合わせた馬名になっている。奇しくも、星を名に冠した2頭だ。
エフフォーリアを確実に逆転できるとまでは言わないが、皐月賞で翳った星の光がダービーで再度輝く可能性はそう低くはないのではないだろうか。ダービーではおそらく別路線組に人気を譲って人気落ちする2頭だし、妙味は高いのではないだろうか。
この2頭を含むダービー展望をまとめたいところですががが……今日は思いのほか長くなってしまったので、断念。
明日か明後日かに時間があれば、ダービーの予想をまとめたく候。時間があれば。それでは、皆さんがダービーウィークのよい週末を過ごされることを星に祈り、今日はこのあたりで。