引かれ者の小唄

パートタイムギャンブラーの記録

2020年の目標

1月も終わりかけていますが、今年の目標が見つかりました。ものすごい突然で突飛な話なんですが、一人で競馬本を作って世に出したいなと思っています。

すみません、ちょっぴり誇大に言っちゃいました。本といってもnoteを考えてます。noteですけど、きちんと企画を練って、章立てして、図版を交えた、まさに「一人で本作り」をしようと思っています。競馬本作って、ネットで行商するのです。

電子書籍という線も考えているんですが、やはり手間と時間がよりかかりそうなので、とりあえずnoteを作成してから考えようかと思っています。)


なんでこんなことを思ったかをつらつらと書きます。カジュアルな理由ではありますが、いちおうちゃんと理由があります。

実は僕はふだん、紙の本を作る編集という仕事をしています。フリーランスではなく、普通の出版社に務めてサラリーをもらっている編集者です。

この職業に就いて、10年弱くらいになるでしょうか。僕が働く業界・会社的には、10年弱働いてようやく中堅に差し掛かってきたかな、くらいの位置づけです。

(※同じ出版業界でも、サイクルの速い会社なんかでは10年弱なんてとっくに中堅~ベテランと扱われるところもあると思います。)

ちなみに、競馬とは全く関係がない業界の出版社です。


編集業界の外にいらっしゃる皆さんは、編集者に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。なんとなく、華やかなイメージをお持ちの方も少なくないかと思います。

でも実際は、出す本の種類によるところもあるかと思いますが、かなり地味な、裏方の仕事です。

もちろん、テレビや本や雑誌などのメディアで見る、あんな有名人やこんな有名人にお会いすることもあります。「メディアの作り手側にいる」「有名人に会える」という点をとれば、華やかな仕事といえるかもしれません。

でもその点以外、行う仕事はめちゃくちゃ泥臭い裏方仕事です。

頭を唸らせて企画を立てる、企画を実現できそうな関係者(著者・ライター・デザイナー・カメラマンなど)にひたすら連絡をとる、スケジュールに追われながら素材を集める、集まった素材を見て文字と図版と紙と格闘する…。

簡略化して述べてますが、だいたいこんな感じです。しかも途中には、お金やら権利やらが絡んで胃が痛くなるような事件が起こることもしょっちゅうです。

自分の作る本以外の業界の編集者のスタイルには明るくないですが、箕輪厚介さんみたいな編集者は非常に稀で、多くの編集者は文字と紙とお金と権利と格闘する地味で泥臭い仕事をしていると思います。

(それが「よい編集者」かどうかはまた別の話ですが)


で、僕もご多分に漏れず裏方で地味で泥臭い仕事をする編集者なんですね。自分が手掛けた本が完成したときは、なんとも言えない快感を感じますが、それまでは辛く苦しく忍耐が求められる仕事をひたすらしています。

著者もライターデザイナーもカメラマンも、一癖二癖ある人ばかりです。そういう人たちに囲まれてやりくりする仕事をしていると、自然と物事を客観視し、リスクを冒さない生き方みたいなものが身についてしまいます。

やはり好き勝手に動き回る一癖二癖ある人間ばかりの熱狂の渦を目の前にすると、癖のない側に立って(もしくは癖のない振りをして)客観視しながら状況をコントロールしてしまいがちなんですよね。

もちろん自分も熱狂に身を任せてカオスを楽しむという編集者もいるかとは思います。得てして創造はカオスから生まれるものです。

でも、僕はそうはなれなかった。

こういう一歩引いた生き方が身に染みてしまうと、趣味の世界も同じようにこじんまりとリスクを冒さないようになってしまいがちです。

このブログも、とにかくこじんまりと自分の考えを日記として書ければいいな、程度で始めたんですね。小市民の楽しみです。


でも、ふと思ったんです。

一度は僕も表に立つ人間になりたい、と。

他人のカオスに振り回されるのが嫌なら自分で創造しちゃえばいい、と。

なぜだか熱意を持ってしまったんですよね。

きっかけは分かりません。ベタベタですけど、競馬を見ていて、生死をかけて懸命に走る競走馬の姿に心動かされたのかもしれません。

かといって、「人生一度きりだから」とか「人生楽しんだもの勝ちでしょ」とか、そういう考えにめざめたわけではないんです。

単純に、僕は10年近く紙の本の編集者としてモノづくりをしてきて、モノを書いたり作ったりするノウハウがある程度ある。

そして、ひょんなことから20年近く心の底で暖め続けていた競馬熱が昨年目覚めた。

そうなると、自分が主導となって競馬についてのモノづくりがしたい、と自然だけれど必然的に思ってしまったわけです。

(あと、自分の会社は競馬本とは無縁な会社なので、ネットの世界で自己実現するしかないかなというのもあります。)

もちろん、本を作って売ってお小遣いを得られればいいな、とも思いますが、それより、もきちんとした競馬本を作ってたくさんの人に読んでもらいたいという思いの方が上です。


というわけで、今年は一人で競馬本を作って世に出すことを目標に生きていきます。

いちおうテーマは決めてます。今は企画と構成を練っているところです。休みの日とか仕事終わりとかを使ってぽつぽつ作るので、たぶん結構先になる気がします。妻にもこの目標を宣言しましたが、どれだけ時間がもらえるかは分かりませんし。

重賞予想や普段のブログも続けます。一人だけでの本作りに進捗があったら報告します。発信し続けて、これから作る本をたくさんの人に読んでもらえたらいいなと思っています。


嘘みたいな話ですが、目標ができてかなり気持ちがハイになってきています。笑

もちろん計画が頓挫する可能性はありますし、できたはいいもののクソみたいなクオリティのものになって誰にも読まれない可能性もあります。

でも、できる限り頑張ってみたいと思います!

生暖かく見守ってもらえればと思います。よろしくおねがいします。